続編・階級社会の兆候 foreshadowing, class society 2003 12 22
今日の新聞記事によると、
「大学卒業者の5人に1人は就職も進学もせず無業になる時代だ。」
「これから社会に出て行く若者層は、
十数年にわたって年金保険料が毎年上がり続ける。」
「消費税増税も、いずれ避けられない。」
「就職難と負担増の二重苦に直面して」、若者の経済的苦境が続く。
さらに、高校生の就職難も、大変、きびしいと聞きます。
地方によっては、高校生の就職率が、50%程度と聞きます。
若者にとっては、大変、気の毒な世の中になったと思います。
これらの現象が意味するところは、何か。
つまり、低所得者が増えていくことを意味しています。
これもまた、階級社会が始まる兆候です。
いや、すでに階級社会は、始まっているとも言えるでしょう。
社会の仕組み economic fabric of society 2003 12 19
全員が中流階級という道は、あったのです。
しかし、その道を、みんなで、つぶしてしまいました。
政治家、マスコミ、庶民と、みんなで、バブル叩きをしました。
その結果、バブル経済どころか、日本経済まで破壊してしまいました。
外国で言うところの株価とは、日本では、土地の値段だったのです。
日本は、土地の値段が、株価の役割をしていたのです。
確かに、バブル経済の時は、土地の値段が上がって、
マイホームが簡単に買えなくなった。
だから、土地の値段は下げろという議論でしたが、
これは、物事の一面しか見ていなかったのです。
あの当時でも、大部分の日本人は、
マイホームという土地を持っていたはずです。
しかも、ローンで土地を買っていたはずです。
このような状況で、土地の値段を下げる政策を実施すると、
ローンで買った土地の価値も減少します。
つまり、ローンでマイホームを買っていた人の担保能力が減少してしまうのです。
土地の値段が上がるのは悪いことだと考えた人もいたのでしょうが、
ローンでマイホームを買っていた人の場合、
土地の値段が上がれば、担保能力も向上したのです。
このように、経済のしくみを知らないで、
政策を実施すると、多くの問題や悲劇を引き起こすのです。
階級社会の兆候 foreshadowing, class society 2003 12 21
多くの企業で最高益を達成するケースが増えて、まるで好景気のように見える。
しかし、多くのサラリーマンは、給料カット、増税、社会保障の負担増と、
とうてい、好景気とは言えない。不景気の真ん中にいると考えている。
いったい、どちらが本当なのか。
そういう声が全国で聞こえる。
結論から言えば、どちらも正しい。
つまり、これが、階級社会の兆候である。
いや、階級社会ができつつある。
小泉政権は、階級社会を意識していないが、
結果的には、階級社会となる。
それは、イギリス型か、アメリカ型か。
日本には、貴族がいないので、おそらくアメリカ型の階級社会となる。
ビジネスエリートという階級と、その他の新労働者階級となる。
つまり、人口の20%のビジネスエリートという階級が、社会の富の80%を得て、
残りの人口の80%の新労働者階級が、社会の富の20%を分け合うという社会になる。
こういう社会となると、政党も変化する可能性がある。
ビジネスエリート寄りの政党と、新労働者階級寄りの政党となる。
しかし、これでは、社会が不安定となる。
これでは、かつてあった社会に戻ってしまう。
昔、こういう社会があったでしょう。
これで、ビジネスエリートを守る「規制」を作れば、
階級社会が完全に完成する。